降誕節第6主日(新しい神殿)
2025.2.2 開会 10:30
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◎できるだけ10時30分に、難しい方はご都合のつく時間に守ってください。
黙祷
讃詠 10「今こそ人みな」
主の祈り
賛美 202「よろこびとさかえに満つ」
聖書 マタイによる福音書 第21章12-16節(新約聖書40頁)
12 それから、イエスは神殿の境内に入り、そこで売り買いをしていた人々を皆追い出し、両替人の台や鳩を売る者の腰掛けを倒された。13 そして言われた。「こう書いてある。『わたしの家は、祈りの家と呼ばれるべきである。』ところが、あなたたちはそれを強盗の巣にしている。14 境内では目の見えない人や足の不自由な人たちがそばに寄って来たので、イエスはこれらの人々をいやされた。
15 他方、祭司長たちや、律法学者たちは、イエスがなさった不思議な業を見、境内で子供たちまで叫んで、「ダビデの子にホサナ」と言うのを聞いて腹を立て、
16 イエスに言った。「子供たちが何と言っているか、聞こえるか。」イエスは言われた。「聞こえる。あなたたちこそ、『幼子や乳飲み子の口に、あなたは賛美を歌わせた』という言葉をまだ読んだことがないのか。」
賛美 345「聖霊の力にあふれ」
説教 <祈りと賛美の家> 牧師 木谷 誠
子どもの頃、この聖書を読んでどきっとしました。「えっイエス様がこんな乱暴なことするの?」。神殿の境内でのイエスのこの激しい行為は、これ、いわゆる「業務妨害」事件にも見えますね。子どもの私にとってはかなり意外な驚くべきものでした。ということは私の中に一定のイエスのイメージがあったということです。「救い主、とてもとても優しくて頭の良い方、愛の人」そのようなイメージをイエスに対して私は抱いていたのでした。それは決してはずれてはいません。しかし、全てではありません。
イエスという方は、先に述べたような面も確かにありますが、その一方で大変激しい方であったことも福音書は示しています。人の意表をつく思いがけない新鮮な言葉、驚くほどわかりやすくて深いたとえ話、権力に対して一歩も引かない強い意志、傷ついた人への深く優しい寄り添い、子どもたちへの愛情などなど・・・イエスという方は、確かに愛の方ではありますが、その一方で大変激しい面もお持ちです。誰とでもうまくやれる円満な人というよりは、「味方も多いけれど、敵も多い」というタイプの方であったように私には思えます。そんなイエスが私は好きで好きでたまらないのですが・・・
イエスは本当の「真の愛の人」であったのだと思います。だから弱い立場の人たちが社会の権威によって隅に追いやられていることが我慢ならなかったのでしょう。何者も恐れず、イエスはその人たちと共に生き、寄り添い、時には戦われました。そんなイエスの生き方は、驚くほどに大胆で時には無防備でした。その生き方を徹底的に貫かれたから十字架にかけられたという言い方も可能です。
そしてイエスという方は本当に純粋に神を愛し、神を大切に、神の御心に従おうとして生きた人でした。そんなイエスからしたら神殿に絡む巨大な利権の構造は我慢ならないものだったのでしょう。当時の神殿には巡礼が多く集まりました。その人たちの献金、捧げ物を調達する便宜のために境内には市場がありました。そのこと自体決して悪いことではないのですが、巡礼の数が膨大なため、そこには大きな利権が絡み、私腹をこやしている人たちがたくさんいたのです。イエスはそれが我慢ならなかったのです。
神殿は、神に礼拝を捧げる場所です。神の言葉が伝えられ、それを一生懸命聞き、恵みを確かめ、感謝して祈りと賛美を捧げる場所です。そこが利権を取り巻く貪りの場所、盗人の場所になっていることが、イエスには我慢ならなかったのです。
それは旧約以来伝統的に引き継がれてきた預言者の精神がイエスにもあったということでした。イエスがイザヤ書を引用しているところからもそれがわかります。
神殿を教会に当てはめて考えてみましょう。私たちの教会には、当時のエルサレム神殿のような巨大な利権はありません。でも私たちには、この教会が、礼拝の場所であり、祈りと賛美を捧げる場所であるというイエスの言葉を自分たちの原点とすることはとても大切なことだと思います。
賛美 402「いともとうとき」
献金(ご都合の良い時に教会にお捧げください)
頌栄 91「神の恵みゆたかに受け」
黙祷
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