降誕前第6主日(神の民の選び・アブラハム)
2024.11.17 開会 10:30
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◎できるだけ10時30分に、難しい方はご都合のつく時間に守ってください。
黙祷
讃詠 16「われらの主こそは」
主の祈り
賛美 208「主なる神よ、夜は去りぬ」
聖書 創世記 第13章1-18節(旧約聖書16頁)
1 アブラムは、妻と共に、すべての持ち物を携え、エジプトを出て再びネゲブ地方へ上った。ロトも一緒であった。2 アブラムは非常に多くの家畜や金銀を持っていた。3 ネゲブ地方から更に、ベテルに向かって旅を続け、ベテルとアイとの間の、以前に天幕を張った所まで来た。4 そこは、彼が最初に祭壇を築いて、主の御名を呼んだ場所であった。5 アブラムと共に旅をしていたロトもまた、羊や牛の群れを飼い、たくさんの天幕を持っていた。6 その土地は、彼らが一緒に住むには十分ではなかった。彼らの財産が多すぎたから、一緒に住むことができなかったのである。7 アブラムの家畜を飼う者たちと、ロトの家畜を飼う者たちとの間に争いが起きた。そのころ、その地方にはカナン人もペリジ人も住んでいた。8 アブラムはロトに言った。「わたしたちは親類どうしだ。わたしとあなたの間ではもちろん、お互いの羊飼いの間でも争うのはやめよう。9 あなたの前には幾らでも土地があるのだから、ここで別れようではないか。あなたが左に行くなら、わたしは右に行こう。あなたが右に行くなら、わたしは左に行こう。」10 ロトが目を上げて眺めると、ヨルダン川流域の低地一帯は、主がソドムとゴモラを滅ぼす前であったので、ツォアルに至るまで、主の園のように、エジプトの国のように、見渡すかぎりよく潤っていた。11 ロトはヨルダン川流域の低地一帯を選んで、東へ移って行った。こうして彼らは、左右に別れた。12 アブラムはカナン地方に住み、ロトは低地の町々に住んだが、彼はソドムまで天幕を移した。13 ソドムの住民は邪悪で、主に対して多くの罪を犯していた。14 主は、ロトが別れて行った後、アブラムに言われた。「さあ、目を上げて、あなたがいる場所から東西南北を見渡しなさい。15 見えるかぎりの土地をすべて、わたしは永久にあなたとあなたの子孫に与える。16 あなたの子孫を大地の砂粒のようにする。大地の砂粒が数えきれないように、あなたの子孫も数えきれないであろう。17 さあ、この土地を縦横に歩き回るがよい。わたしはそれをあなたに与えるから。」18 アブラムは天幕を移し、ヘブロンにあるマムレの樫の木のところに来て住み、そこに主のために祭壇を築いた。
賛美 342「神の霊よ、今くだり」
説教 <救いのはじまり> 牧師 木谷 誠
降誕前節を過ごしています。旧約聖書の御言葉の恵みを分かち合っています。先々週は天地創造、世界の祝福の「はじまり」。先週は悲しい罪の「はじまり」でした。今回の降誕前節はすべて「はじまり」という言葉を鍵としてお伝えしたいと思っています。
今回は「救いのはじまり」と題しまして、アブラム(のちのアブラハム)の旅の途中のエピソードが告げるメッセージにご一緒に耳を傾けましょう。
アブラム(のちのアブラハム、以降「アブラム」)はおいのロトと共に旅を続けていました。その旅の目的地は、わかりません。アブラムが神の呼びかけに従って始めた旅は行き先を知らされない旅だったのです。「ベテルへ向かって」とありますが、そこは旅の目的地ではありません。ただ神の導きのみを信じて旅を始め、旅を続けるアブラムの信仰は素晴らしいものでした。
しかし、現実は大きな困難の連続でした。アブラムの信仰が揺らいだことも何度もありました。そして今回、アブラムが直面した困難は甥のロトとの間に起こった争いでした。アブラムもロトもそれぞれに一族や多くの家畜、それを世話する奉公人を抱えていました。それぞれに大人数の集団になっていました。その集団を維持するには水、食糧などなど様々な物資が必要です。その物資の確保をめぐって争いが起きてしまいました。アブラムとロトとの直接の争いはなかったのですが、それぞれの一族、奉公人たちはすでに険悪な関係になっていたのです。お互いに親類同士であり、仲良く支え合って旅を続けたい、しかし、もはやそれが難しい。そのような状況にあって、アブラムは別れて独自の旅を続けようと提案しました。そしてどの道を進むか、その選択権を甥のロトに与えました。ロトは豊かな土地に向かう道を選びました。彼らが旅する大地は日本のように水が豊かな風土ではありません。豊かに潤ったヨルダン川流域の低地一帯は豊かな暮らしにつながる大変条件の良い土地でした。一族を養う責任を持ったものとしてロトは正しい決断をしました。そしてアブラムとロトは別れ、それぞれの道を歩むこととなったのです。
アブラムは叔父ですから、アブラムが自分に有利な道をロトより先に選んでもよかった。しかし、アブラムはそれをロトに譲りました。一族の今後を左右しかねない重大な問題です。それなのにどうしてアブラムはロトに譲ったのでしょうか?
可愛い甥への愛情もあったのでしょう。それ以上にアブラムには頼みとするものがあったからです。大切な家族であるロトに譲ることは神の喜ばれることだったでしょう。アブラムはそれを決断しました。そして何よりも神がアブラムと共にいてくださること、これがある限り、必ず自分たちは守られるとアブラムは信じていたのでした。眼に見える潤った土地は魅力的です。しかし、ここでアブラムはそれよりも眼に見えない神が共にいてくださることを大切にし、それに信頼したのでした。
賛美 184「アブラハム、アブラハム」
献金(ご都合の良い時に教会にお捧げください)
頌栄 27「父・子・聖霊の」
黙祷
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